ラングスジャパンという、もう一人のきょうだいとともに


 私が生まれるのとほぼ同じ時期に、母は株式会社ラングスジャパンを立ち上げました。

小さな一室でブーメランを輸入し、何の伝手もない中、母がブーメランを片手に東急ハンズへ営業に行く。
そんなところから始まった会社です。

幼い頃の私にとって、家の一室が会社であることは当たり前でした。
家にはいつも従業員の方々がいて、仕事の話があり、商品があり、段ボールがありました。

小学生の頃には、出荷が間に合わない時にビニール詰めや段ボール詰めを手伝うこともよくありました。
勉強しなさいと強く言われた記憶はあまりありませんが、社会や仕事がすぐ隣にある環境で育ったことは、今振り返ると何より大きな学びだったように思います。

やがて会社は少しずつ成長し、ヒット商品が出るようになりました。
学校で友人たちがラングスジャパンの商品で遊んでいる姿を見た時は、不思議な誇らしさがありました。

私にとってラングスジャパンは、単なる家業というよりも、自分と一緒に育ってきた、もう一人のきょうだいのような存在です。

一方で、大学時代には、お小遣いや仕送りがなかったため、アルバイトをしながら生活費をまかない、教習所にも通っていました。
限られた時間とお金の中で予定を組み、自分で働いたお金で生活を成り立たせていくことは、簡単なことではありませんでした。

仕事には体力も必要で、時間のやりくりも必要で、人間関係の難しさもあります。
決して特別な経験として語りたいわけではありませんが、自分で働く中で、社会の中で生きていくことの大変さや、働くことの重みを少しずつ実感していったように思います。

家族が仕事に向き合う姿、従業員の方々が一つの商品を届けるために動いている姿、そして自分自身がアルバイトを通して社会の中で働いた経験。
そうした日々を通して、自然と「人は何に悩み、何を支えにして、どのように日々を過ごしているのか」を考えるようになりました。

その後、私は医師となり、精神科の道に進みました。

精神科医として患者さんと向き合う中で感じるのは、人の悩みは病気だけでできているわけではない、ということです。

仕事、家庭、人間関係、育ってきた環境、将来への不安。
そうしたものが複雑に重なり合い、心や体の症状として表れることがあります。

「眠れない」
「気分が落ち込む」
「不安が強い」
「体調が悪いのに、検査では大きな異常が見つからない」

そうした訴えの背景には、その方がこれまで歩んできた人生や、今置かれている生活環境が深く関わっていることがあります。

だからこそ、診療では症状だけを見るのではなく、その方の生活や背景にも目を向けることが大切だと感じています。

現在、私は四ツ谷レディスクリニックメンタルプラスで、婦人科と精神科を併設した診療に取り組んでいます。

女性の心と体は、月経、妊娠、出産、更年期、ライフステージの変化などによって大きく揺れ動きます。
体の不調が心に影響することもあれば、心の不調が体に表れることもあります。

たとえば、生理前になると気分が落ち込んだり、イライラが強くなったりする方がいます。
更年期に入ってから、不眠や不安、気分の不安定さに悩まれる方もいます。
婦人科の不調だと思っていた症状の背景に、心の負担が隠れていることもあります。

反対に、精神的な不調だと思っていた症状に、ホルモンバランスや婦人科的な問題が関係していることもあります。

だからこそ、婦人科と精神科を分けて考えすぎず、ひとりの方の人生全体を見ながら診療していくことが大切だと考えています。

また、医療だけでは支えきれない部分もあります。
生活、運動、栄養、仕事、家族との関係。
そうした日々の積み重ねが、その人の健康に深く関わっています。

ラングスジャパンで学んだこと、大学時代に自分で働いて感じたこと、医師として学んだこと、そして今クリニックを運営する中で感じていること。
それらは一見別々のようでいて、私の中ではすべてつながっています。

人を支えること。
人の生活に寄り添うこと。
目の前の方が少しでも安心して毎日を過ごせるようにすること。

それが、会社を通しても、医療を通しても、私が大切にしていきたいことです。

四ツ谷レディスクリニックメンタルプラスは、婦人科の悩みも、心の悩みも、どちらも相談できる場所でありたいと考えています。

「こんなことで相談していいのかな」
「婦人科なのか、精神科なのかわからない」
「体調も気分もなんとなくつらい」

そうした時にも、まずは一度ご相談ください。

これまで自分が歩んできた道を振り返ると、医療と会社、家庭と仕事、人の心と体は、決して切り離せないものだと感じます。

これからも、患者さん一人ひとりの背景に目を向けながら、安心して相談できるクリニックを目指していきたいと思います。

四ツ谷レディスクリニックメンタルプラス
院長 小林遼太郎

このブログの人気の投稿

2025/11/1【四ツ谷の婦人科・精神科】四ツ谷レディスクリニック メンタルプラス移転のお知らせ

ご挨拶

【四ツ谷で自律神経失調症にお悩みの方へ】めまい・吐き気・不安が続くときに考えること