つらい時、正論より安心が効く理由
つらそうな人を見ると、どうしたら解決できるか。
考えすぎない方がいいよ
こうしてみたら
もっと前向きに考えた方がいいよ
言っていること自体は間違っていないことも多いです。
ただ、心がかなり疲れている時には、正しいことを言われてもなかなか頭に入ってこないことがあります。
強い不安やストレスが続いていると、頭も身体もずっと警戒しているような状態になります。
眠れない。
些細なことが気になる。
悪いことばかり考えてしまう。
人に会いたくなくなる。
そんな時に、さらに問題を整理して答えを出そうとすること自体が負担になることもあります。
だから、まず必要なのは解決策ではなく、安心できることなのかもしれません。
責められない。
急いで答えを出さなくてもいい。
ここでは少し力を抜いていい。
そう思えるだけで、少しずつ考える余裕が戻ってくることがあります。
身近な人がつらそうにしている時も、何か気の利いたことを言わなければいけないわけではありません。
それはしんどかったね。
今日は無理に決めなくていいんじゃない。
それくらいの言葉の方が、つらい時には届くことがあります。
人は安心すると、少しずつ冷静に考えられるようになります。
安心して、少し落ち着いて、それから次のことを考える。
この順番は意外と大切です。
もちろん、現実的なアドバイスや治療が必要なこともあります。
ただ、その前に今この人は答えを求めているのか、それともまず安心したいのかを考えてみるだけで、接し方はかなり変わると思います。
精神科の診察でも同じです。
診断をつけることや薬を処方することはもちろん大切です。
それと同じくらい、安心して話せる場所があることが、その後の回復につながることもあります。
つらい時に必要なのは、いつも正しい答えとは限りません。
まず少し安心できること。
そこから次の一歩を考えられれば十分だと思います。
四ツ谷レディスクリニックメンタルプラス
院長 小林遼太郎